KD Unit 0 Saigon Cafe & Studio














































ホーチミン市の中心部に建つ、カフェ&スタジオ。貸家を改修してカフェとワーキングスペースの融合を目標のひとつにしています。オフィスは敷地の一番奥側に小さい小屋を設けて、最小限の独立空間を確保しています。残りの部分は、カフェスペースです。カフェスペースは、ノマドワークにもよい環境となるようなデザインと設備を整えています。
この改修では、既存の建物を再利用、活性化するために、2つのコンセプトを元にデザインしました。
一つ目は、屋外と屋内をつなげる、調和させるデザインです。エントランス側の前庭を通り、1Fのカフェに入ります。その奥には中庭があります。中庭は前庭にも席がありますが、カフェの中からも、庭の緑が楽しめる空間づくりです。オフィスの奥には、壁面緑化と小さい水盤を設け、爽やかな仕事環境をつくっています。
二つ目は、エコフレンドリーなデザインです。
エコマテリアルとして、再利用材を使っています。ひとつは、屋根の下地材で使われていた木材を、エントランスまわりの壁、天井に積み重ね、細かい層が積みあがっているイメージを表現しています。もうひとつは、カフェの1Fの床と壁に、再利用レンガを使いました。このレンガは、ホーチミンの古い建物から出たものだそうで、木とあわせて、土で空間を覆い、大地を感じさせるデザインを目指しました。
さらに、今回は、日本より2つの新しい材料を取り入れています。
ひとつは、光触媒塗料でもあるエコ塗料のオプティマスペイントを、内装の壁、天井、外壁と屋根には遮熱塗料を採用しました。健康塗料は、ホーチミン、ベトナムでも取り入れていきたい材料です。
もうひとつは、CLT(cross laminated timber)です。銘建工業より協力をいただき、今回、岡山よりホーチミンへ材料を提供いただきました。日本の環境への取り組み、森林資源活用先のひとつとして、潜在的可能性を秘めている材料です。1Fのトイレと2Fのカフェスペースのロフトに採用しています。ベトナムでは、初のCLT導入事例と思われます。
- 用 途:
- カフェ、オフィス、スタジオ
- 場 所:
- ホーチミン、ベトナム
- デザイン種別:
- コンセプトデザイン、設計、監理
- デザイン 年:
- 2018
- 規 模:
- 120平米
- 写真撮影 :
- MINA, INA